表面処理
表面処理とは素材表面の性能を高める為に行われる処理で、硬さ・摩耗性・耐食性・絶縁性・導電性・装飾性等の機能を付けることを目的としています。 その手法や素材は様々です。
素材による分類
金属皮膜処理
電気めっき・無電解めっき
装飾、防錆、耐摩耗、電気伝導など、めっき金属により様々な機能を与えることができる
溶融めっき
主に溶かした亜鉛に浸漬して被膜をつける
蒸着(CVD・PVD・イオンプレーティング)
乾式で真空中で被膜を作ります。様々な金属を付けることが可能です。
溶射
金属、セラミック等を溶かした状態で噴射して被膜を作ります
- 電気めっきや無電解めっきの膜厚は蛍光X線膜厚計で厚みと成分比を測定することができます。
- 溶融めっきは、蛍光X線では厚すぎて測定できない場合が多く、一般的には電磁式膜厚計で厚みを測定します。但し、ZnAl合金などは成分比のみ蛍光X線膜厚計や蛍光X線分析計で測定する場合があります。
非金属被膜処理
塗装
塗料を塗ったり吹き付けて被膜を作ります
セラミックコート
チタン、アルミ、シリコン等の酸化物・窒化物・炭化物を付けることで、手法は蒸着で行う
シリコンコート
シールやテープ等の剥離紙・フィルムにはシリコンが塗布されています。
- 被膜に紫外線を照射して時に、蛍光を発する場合、被膜の厚みを測定する事ができます。蛍光センサーOLシリーズまた、鉄素材の上であれば電磁式膜厚計でも測定できます。
- 剥離紙のシリコン厚みは蛍光X線分析計で測定します。
目的による分類
表面改質処理
プラズマ処理/コロナ放電/紫外線照射
塗装やめっき前の基材表面の濡れ性を向上させる為に行う処理
- 表面改質の効果を測定する方法として、蛍光センサーによる蛍光強度の変化を見る方法があります。
表面硬化処理
浸炭・窒化
炭素や窒素を基材に拡散させる処理で工具などに硬さを与える為に行う処理
- 窒素や炭素などの軽元素は蛍光X線では測定できません。チタンやタングステンを使った表面処理は蛍光X線膜厚計で測定ができます。
処理による分類
化成処理
陽極酸化
アルミ表面に酸化被膜をつけることで、装飾に使われる。アルマイトと呼ばれる
クロメート
クロム酸塩で酸化処理する事で、亜鉛めっき後にすると耐食性が向上します。 他にも密着性向上の目的で処理されます
リン酸塩被膜
パーカ処理とも呼ばれる。リン酸被膜を作ることで腐食防止で作られます
四三酸化鉄被膜
鉄鋼表面に黒色の酸化被膜を作ること。黒染加工とも呼ばれる
- アルマイトのような導電性の非鉄金属の上の非導電・非磁性膜の組合せの場合、渦電流膜厚計で被膜厚みが測定できます。